忍者ブログ
2026/10
<< 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>


×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

久藤くんと先生です CPではないです
注意:久藤くんがひどいです とてもひどいです ひどうくんです

それでもよろしければ続きからお読みください








------------------------

そろそろ暑くなるかと思ったらやっぱり雨なんかが降ると冷えてしまって、どうも調子がくるってしまう。怠い体はそのせいだろう。このところ梅雨を先取りしたみたいに雨が降る。朝から降り止まない雨がびしゃびしゃ傘に跳ねた。息まで重たく感じる。
こんな雨の中に立ち尽くして打たれてみたい人もいるらしいけど、ならちょうど今、僕が通り過ぎた人もそんな手合いだろうか。泣きそうな顔をした眼鏡の男が電信柱みたいに突っ立っていた。悲恋の物語ならさまになっただろう滑稽さは、この穏やかな日常に生きる僕が傍観するにただ間が抜けているだけだった。そういえばその人は僕の担任に似ている気がしたんだけど、ひょっとすると当人だったんだろうか、そうじゃないんだろうか。そうじゃない方であってほしいなあ、とても面倒だから。

 「久藤くん」
足を速めると、恨めしそうな良い声がまっすぐ飛んできた。ご高説をぶち上げるときの声だったから、雨音にもまぎれない。それを無視してたっぷり五秒ほどそのまま歩いていたら叫ぶ声もどんどん近づいてきた。振り返ってみると可哀想ぶりの絶望さんは僕に向かってずんずん歩いてくる。
 「久藤くん、なにかあるでしょうかける言葉が」
いくら人目が少なくってもずぶ濡れの人と並んで歩くのは嫌だ。でもこの表情の先生は簡単には追い払えそうにない。僕は傘でその視線を遮った。けれど先生は降る雨の向きとは逆側にいたから背中が少し濡れてしまった。とんだ迷惑だと、思わず眉根を寄せて傘の向きを戻した。

 「先生を無視するんですか」
 「何か用ですか」
この程度の切り返しにたじろぐくらいなら来ないでほしい。濡れ鼠の先生に今更傘を差し掛けるのも妙だと思うから、僕たちは傘を差した少年と差していない大人の妙な取り合わせになっている。もっともこの人と相合い傘なんて嫌だけど。雨脚は強まって風も吹いてきて、先生は古いコントみたいな格好になっている。もはや水もしたたるいい男なんて言って面白がれるレベルではない。顔はいいからいっそう悲壮だ。
 「欲しいのは同情ですか、問いかけですか、それともタオルですか」
 「ええ、とりあえず先生は今、心と体に風邪をひきそうです」
 「こじらせないように気をつけてくださいね、では」
 「待ちなさい」
心ばかりの言葉をかけて去ろうとすると、先生が肩を掴もうとしてきたから咄嗟に傘で払った。振り向いて、今日は疲れているからさっさと帰って寝床に潜って本を読みたいのだと目で訴える。先生は青ざめた顔をした。唇がちょっと紫だ。僕に絡んでないで宿直室に帰ればいいのに。きっとあの髪の長い小森さんが甲斐甲斐しく世話を焼くだろう。僕はあまり会うことがないからよく知らないけど。そういえば今日はおかっぱ頭の常月さんがそばに見えないけど、たぶん二人で待っているんじゃないだろうか。顔すらおぼろげにしか覚えてないけど美人だった気はする。だからいつまでも僕の進路を妨げていないでおとなしく彼女らに泣きつけばいいのに。

 「私を邪険にするとどうなるかわかってますか」
 「あ、別にいいです」
 「先生泣いちゃいますよ」
 「どうでもいいです」
じゃ、と笑いかけて、軽く後ろ手を振って角を曲がる。彼の首の痣が増えようが知ったことではない。どうせ女の子たちはそういう可哀想な絶望先生が好きなのだ。



-----------------------


私が書ける黒久藤はこんなもんでした ざっくり
PR
この記事にコメントする
Name :
Comment :
 


material by アルフェッカ

忍者ブログ | [PR]